私は妊娠7カ月まで病院で事務職をしていました。
事務職といえど、高い精度と緊急性に対応せねばならない厳しいデスクワークで、のんびりとした仕事環境ではありませんでした。
しかし、もともと職場での信頼関係があったことと、私が何かしらの落ち度を妊娠のせいにしたりしないように体調管理をしていたことで、マタハラのような目には遭いませんでした。
逆に、妊婦であることで手厚い配慮もあったわけではありません。
本当に妊娠する前と変わらず仕事をし、ミスをしたら遠慮なく怒鳴られたりしてました。
妊娠は正常な人間の状態の一種ですが、もっと重篤な症状の患者と向き合わねばならない職場なので、妊娠くらいのことは気にかけていられなかったのだと思います。
それでも病院内で仕事をしている最中のほうが、すぐ近くに医師や看護師がいる状況なので、「何かあっても誰かがどうにかして助けてくれるだろう」という安心感がありました。自宅にいるよりも母子にとって快適な環境にいたと思います。
困ったのは制服です。ジャケットとベストとタイトスカートが制服として支給されていましたが、お腹が大きくなってXLのサイズまで交換してもらいました。
「制服を着なければいけない」という原則を妊婦のために柔軟に対応できない企業は、それだけでマタハラだなと思いました。
女性が妊娠すれば、仕事との折り合いをつける為に多大な労力を割かねばなりません。
一生懸命に仕事と向き合っているかどうかの「日頃の行い」はこういう時に表面化するものだと思います。